瓦の快適性

夏涼しく、冬暖かい瓦葺きの屋根

環境の時代といわれる中で、屋根材としての瓦の素晴らしさが、改めてクローズアップされています。高温多湿な日本の風土に適していることだけでなく、耐久性・断熱性など諸性能に優れていること、美しい風景を描き出す優しさを持った屋根材であることなど、瓦は多彩な魅力にあふれる屋根材です。

なぜ夏涼しいのか?

熱くなりにくく、割れにくい
瓦は他の屋根材に比べて熱容量(物が熱を蓄える能力)が大きく遮熱効果が高いため、太陽の熱を和らげ、部屋の温度上昇を防ぎます。つまり「熱くなりにくい」のです。そのため暑い夏でも瓦屋根の家は、スレートなどの他の屋根材を使用した家に比べて涼しいのです。
また「熱くなりにくい」ことに加えて、熱に強いことも特長。他素材に比べて、熱による変形はほとんど見られません。つまり、致命的なダメージとなるひび割れや変形が起こりにくいということです。
たとえば夏、灼熱の太陽に照らされた後、夕立に見舞われる。日本ではよくある気候現象ですが、こういった急激な温度差は屋根のひび割れを招く要因になります。こんな現象ひとつをとっても、他素材に比べて瓦は優秀な性能を発揮します。

なぜ冬暖かいのか?

室内の熱を逃さず、寒さ・凍結に耐え抜く

高温で焼き締められた瓦は、他の屋根材に比べて熱伝導率が小さく、断熱性能にも優れた特質をもっています。 ですので内部の熱を逃がさない働きが他の屋根材に比べて高いので、室内の熱を逃がしにくく、室内に蓄えられた空気層が温かさを逃がしません。 
 
また野地に密着した屋根材と異なり、瓦屋根には瓦の重なり部分に空気だけが通れる道があります。この空間により通気、換気を行い、屋根の湿度、温度を調節する、屋根全体がエアコントロールの構造になっています。ですので年間の冷暖房費の違いという、経済性にも影響が出てきます。
 
かつて寒冷地では、冬季に瓦の剥離や亀裂といった凍害現象が発生することから、瓦屋根はほとんど施工されませんでした。これは、瓦中の水分が氷結し、その際に約9%の体積膨張を起こして、内側から圧力をかけるためです。
 
現在では、さまぎまな改良によってこの問題を解消。吸水率の低下、強度アップといった性能向上を実現しました。実際に東北や北陸のような雪国でも瓦は多く使用され、北海道でも瓦屋根の家が見られるようになっています。
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